2月12日は、菜の花忌。ノムさんの命日の次の日が司馬遼太郎さんということなんですが、実はこのお二人、若いころ隣同士に住んでいたらしいんです。
 ところは、大阪市西区の西長堀アパート。まだマンションという言葉がなかった時代で、マンモスアパートと呼ばれ、日本住宅公団の高層化第1号モデルでした。著名人の居住も多かった。司馬遼太郎さん、森光子さん、石濱恒夫さん(作家・作詞家)、そしてノムさん。

あくまで架空の対談です。文責 三十郎

司馬 あなたも西長堀のアパートに住んではったそうですな。私は10階におりましたが、あなたは?
ノム 私も10階で。
司馬 やっぱりそうか。いや、隣に大きな男が住んでいるということは知ってたんやが、何しろスポーツ音痴で‥
ノム はっは いや私は当時22か23くらいの若造で。試合がありますから、夕方に出て行って夜中に帰ってくるような生活で、お顔を合わせるようなこともなかったと思います。
司馬 それそれ どうも普通のサラリーマンとは違う。怪しい、と家内が言うんですわ。
ノム あっそれはどうも 失礼しました。
司馬 いやいやいやいや 失礼はこっちです。あっそうや 池波正太郎さんが訪ねてきたことがあるんですわ。その時廊下であなたとすれ違ったらしい。「司馬さん、お隣は野球選手とちがいますか」と言うたはりましたなあノム 池波先生言うたら、あの鬼平の‥ 
司馬 そうです 池波さんも私と同じ大正12年(1923年)生まれや
ノム 私は昭和10年(1935年)生まれですから、ちょうど一回り違いです。ところで先生、野球のほうは‥‥
司馬 それが、さっきも言うたとおりスポーツはからきしで‥。そや『坂の上の雲』という小説があります。登場人物の一人に正岡子規という俳人がいるんやが、子規は野球が日本に伝わったときからの熱心なファンで、打者、走者、四球といった野球用語は彼が作ったんですわ。「野球」そのものも子規作という説もあるが、これはウソ。そやそや、子規が野球するときは、キャッチャーやったそうでっせ。
ノム へえー、それは面白い。こんど『坂の上の雲』も読ませてもらいます。今までは、小説を読む余裕はなかったですが。
司馬 私も、少し野球の勉強してみますかな。

現在の西長堀アパート。耐震補強を含む大規模リノベーションを行い、新規入居募集を再開。

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