なんでやねん 陶芸家 辻村史朗の世界

「なんでやねん」辻村史朗の口ぐせ。
窯から出した茶碗を手に、考え込む。
なんでこの発色になるのか、なんでこうなるのかがわからない。わからないから、おもろい。おもろいから、またやるしかない‥‥

没頭する。そして、せっかちである。目の前しか見ない。面白くてたまらない。

NHKプロフェッショナル「陶芸家・辻村史朗」を見ました。
辻村さんは、現在74歳(ボクより一つ年上)、奈良在住の陶芸家です。
誰にも師事をせず、習ったこともない独学の陶芸家でありながら、その作品はロバート・デ・ニーロをはじめ多くの海外セレブたちから愛されているという。またメトロポリタンなど有名美術館がこぞって作品を所蔵しているそうです。

ボク、知りませんでした、この人。関西弁でポツポツしゃべる、なかなかおもろいおっちゃんですよ。
若いころは怖がりで、引っ込み思案の少年だったらしい。画家を目指して上京するも、受験に失敗。何をしてよいかわからず、禅の修行をしたりする。あるとき、美術館で出会った一つの茶碗が、彼の人生を変えた。

「陶芸のことも、お茶も知らないときにそれをみたときに、もっと達成されているような、そういうもんを感じた」「禅をしている人よりもこの人の方が、修行ができているなって思った」

このとき、辻村さんは21歳。時を同じくして、やはり芸術の道を志す少女三枝子さん(当時18歳)との出会いもありました。
たちまち、二人は結婚。故郷奈良の山奥に安い土地を買い、作陶を開始します。古材を譲り受け、家は自分たちでつくることにしましたが、それまでの間はテント暮らし。
「さっぶい、さっぶい。マイナス16度でした」

井戸を掘り、自生する野草やキノコを採り、畑で野菜を育てて暮らす。そして、作陶。
現金が必要になると、出来上がった茶碗を並べて田んぼの畔で売っていました。

やがて、ふとしたことからパリの美術館から作品が買い上げられます。すると次々と、海外から辻村に発注が来るようになりました。
辻村さんは、日本でより海外で有名な陶芸家となったのです。

「荒々しさと、静けさが同居している」辻村さんの作品を評して言われる言葉です。
無骨なように見えて、実は繊細。その混ぜ具合というか、コントロールの加減がむつかしいんだと思います。

驚くほど荒々しく、そして静寂。矛盾する二つの要素が一つの作品の中に溶け合っている。

プロフェッショナルとは?
番組お決まりの問いを辻村さんにすると、こんな答えが返ってきました。
「身体が動くかぎりは作れるという、ものすごくええ仕事‥‥仕事やない、遊びをしてる。遊びはアマチュアや。プロフェショナルやないねん」

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