代筆業で憂さ晴らし

大河ドラマ「光る君へ」第二回

 あれから6年がたちました。
 目の前で母が殺され(前回このことには触れませんでしたが)いまだ悲憤の中に明け暮れるまひろ。その事実を「忘れてしまえ」という父(藤原為時)との間に亀裂が生じています。
 そのうっぷんを忘れんがために、まひろは代筆業のアルバイトをしています。この時代、男から女への恋の仕掛けは(その逆も)すべて文によるもので、しかもその中の主要な感情は「歌」によって伝えるべきものでした。

 歌が苦手な男たちのために代筆業があっても、不思議ではありません。それをまひろ──後の紫式部──がやっているというのは、なかなか愉快なアイデアです。

簾の向こうに依頼人。まひろは男声を使いながら、要望を聞きだし、歌を作ってやる。

俺たち 似たもの同士、かな?

 代筆業は、当然父には内緒。けれど、いつかはバレてしまうものです。

「父の家業に泥を塗るような真似は許さん」
と、まひろは自宅謹慎の身となりました。しかし、まひろは負けてはいません。見張りの眼をかいくぐり、市の出る広場へとやってきたんですが‥
 なんという偶然。6年前に会えなかった三郎と、ばったり再会となりました。当時9歳だった女の子がすらすらと漢籍を口にしたことを、三郎は覚えていました。

「お前は、いったい何者なんだ」
「そっちこそ 何者よ」

 それぞれの息苦しい家庭環境から逃れてきた、まひろと三郎。好き嫌いの前に、お互いの中に心からくつろげる「何か」を見いだしたようでした。

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2件のコメント

  1. 京都に行かれてからは更新がなかったので、もう諦めてたけれど、今日、久しぶりに見たら、なんと再開されているではないですか。ご無事で良かったです。 
    また、「光る君へ」を楽しみにしている私としてはブログも面白く拝見しました。
    これからは頻繁に見るようにしますので、先田さんはブログに励んで、消息不明にならないでくださいね。

    1. コメントありがとうございます。
      そうなんですよ。引越しのストレスが思いのほか大きくて、しばらくぐったりしておりました。
      先週「アストリッドとラファエロ」を見ていたら、引越しについてこんなことを言っていました。
      「引越しとは、長く安定した日常の中にはさまれた、いっときのカオスなんだ」
      うまいことを言うもんだと、思いましたね。
      あ、そういえばこないだBSで、改正さんおすすめの「イエスタディ」をやってました。
      面白かった。下手に扱うとマンガになっちゃいそうですが、うまく処理していました。
      「光の君へ」は頑張って追っかけしていこうと思っています。ブログよろしく。
      それから、もひとつ。
      「バッグランド」という映画見てませんか?
      息子の新平が見てきて、劇中にサキタという人が出てくるというんです。
      実は、映画の原作を書いた作家の黒川博之という人が、恵子とちょっとつながりがあり、
      その名前をとったんちゃうか、というんです。詐欺師の元カノだそうです。
      映画みるようなことがあれば、チェックしてみてください。
      そのうち、またグランフロント(他でも)行きませんか。

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