だまされました

大河ドラマ・光る君へ 第九回「遠くの国」

 兼家は陣の定めで倒れて以来、ずっと意識が戻りません。が、しかしですよ、これが実は仮病だったのです。
娘の詮子が枕元で、
「父上がいなくても大丈夫。私と東宮には左大臣源雅信という後ろ盾がついているわ。安心してあの世へ行ってちょうだい」などと、憎々し気に語りかけていると、

「そうはいかぬぞ」

兼家の眼が、くわっと開きました。

「きゃああああ~~~~~」

 倒れてからしばらくして、兼家は意識を回復していたのです。しかし兼家は、これを利用することにしました。ひそかに陰陽師の安倍晴明を呼び、忯子(よしこ)の怨霊が兼家に取りついたという噂を流します。
 この噂は、当然花山帝の耳にも入ります。愛する妻忯子が成仏できずにこの世をさまよっている。「ああ、どうすればよいのじゃ」
 これに取り入ったのが道兼でした。
 道兼は「私は父兼家から、小さいころから、殴る、蹴る、されていました」として、兼家嫌いの花山帝の信用を得ることに成功しています。そのうえで、

「亡き忯子様に成仏していただくには、帝が出家なさる他はありません。帝が出家されるなら、私もお供します」と、持ちかけたのです。

すっかり騙されました。私もです。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です