Lady Murasaki スパイとなる?

光る君へ 第3回「謎の男」

三郎の父、藤原兼家は野心家です。すでに右大臣という高位にありながら、さらに上へと権力追及の手を休めることがありません。
次男道兼が、蔵人頭という天皇のおそば近く仕える職にあることを幸い、天皇の食事に薬を盛り、譲位の時期を早めようと画策します。
この計画は、まんまと当たりました。円融天皇は近頃体調すぐれず、譲位の意向をたびたび側近に漏らすといいます。

兼家には、もうひとつ心配事がありました。ライバルである左大臣源雅信の娘倫子のことです。倫子は才色兼備と評判の姫君。せっかく天皇を譲位させても、倫子がすんなり次の天皇の女御に納まってしまう可能性があります。なんとか、左大臣側の動きを知る方法はないものか? これが、まひろを権力争いの場に巻き込んでいきます。

兼家の命を受けたまひろの父為時は、まひろにこう言います。
「左大臣の姫君倫子さまの元には、和歌の名人赤染衛門という方がおられる。そこへやんごとなき姫たちが集い学ぶ会があるそうじゃ。お前も行って学んでくるがよい」

わけがわからぬまま、まひろは出かけてゆきます。
「わたくしのような身分の低いものでも、どうかご研鑽の場に加えていただきますよう、お願い申し上げます」
倫子は、磊落な気性のようです。
「ご研鑽などとは大げさよ。 あ・そ・び‥‥ 楽しんでいってください」
赤染衛門が言います。
「ではまず偏継(へんつぎ)をいたしましょう」
「やだ~わたし偏継、苦手」「わたしも~」

偏継とは、衛門が漢字の「つくり」を示すと、姫たちは場に広げた札の中からそれに合う「偏」を探して、ひとつの漢字を完成させるというものです。
漢籍に詳しいまひろにとって、こんな遊びはお茶の子さいさい。場の札を、一枚残らず取ってしまいました。(ちょっと、やりすぎじゃないの)

まひろが、倫子の様子を探るためのスパイにされていたとは‥‥あとから知ったことでした。

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